マンション管理費等の滞納問題を解決するにあたっては,支払督促や訴訟といった手段がとられることが多いですが,公正証書の作成を通じ解決される場合もあります。 公正証書?と,なじみが薄い方もいらっしゃるかもしれません。そもそも,公正証書とはどうい…
マンション管理費・修繕積立金の消滅時効期間は5年です。平成16年に,最高裁判所で判断されました(最高裁第二小法廷判決平成16年4月23日・平成14(受)第248号)。 マンション管理費・修繕積立金の消滅時効期間については,激しい争いがありま…
マンション管理費の滞納問題の原因は何でしょうか。 もちろん,管理費を支払うべき組合員が,支払わなかった,ということにつきます。 ただ,その原因を助長する環境,それも無視することはできないのではないでしょうか。 環境,それは,つまり,管理組合の…
遅延損害金の計算方法の話題です。細かい話ですが,きちんと回収するために参考になったらと思います。 このような遅延損害金の計算をしていないでしょうか。 例えば,請求の趣旨で, 「滞納管理費元金50万円 遅延損害金50万円に対する「訴状送達の日」…
滞納管理費を回収するために法的措置をとる場合,総会決議・理事会決議を要する場合があります。 もし,その決議を欠いた場合,どうなるのでしょうか。 たいていの場合,裁判所から指摘されます。「要件を欠いているのではないですか。」 そうすると,補正を…
以下の記事の続きです。 競売妨害に対抗する①~競売請求訴訟の判決確定前の承継人 競売妨害に対抗する②~競売請求訴訟の判決確定前の承継人 そもそも競売を申し立てるには無理がありました。必要とされる書類がそろっていなかったのですから。 もちろん管理…
(競売妨害に対抗する管理組合の事案についての続きです。)裁判の形式的な結論としては,競売申立の際に,譲受人に対する判決や承継執行文がなければ競売は却下される,ということでした。→ 競売妨害に対抗する①~競売請求訴訟の判決確定前の承継人 では,…
いわゆる執行妨害の事例で,裁判所のHPに掲載されている最高裁判例(最決平成23年10月11日・平成23年(ク)第166号,平成23年(許)第8号)をご紹介します。 事案の概要は以下のとおりです。 管理費を滞納している債務者(区分所有者)に対…
マンション管理費を滞納している債務者に何とは支払ってほしい。 では,債務者が所有しているマンションの使用を禁止する措置をとることで, 管理費を支払ってもらうことはできないでしょうか。 じつは,このような事例が裁判所のHPで紹介されています。 …
マンション管理費を滞納している債務者が,残念ながら破産してしまうケースもあります。 破産するとどうなるのでしょうか。 破産開始決定時に存在する債務については,免責許可決定がでることで,支払わなくてもよくなります(責任が免除される,ということ…
マンション管理費請求権には,先取特権という担保権がついています。 (→詳しくは 滞納マンション管理費を不動産競売で回収~先取特権に基づく方法 参照) 競売で売却されると,この先取特権は消滅することになります。 これは,民事執行法第59条第1項で…
当事務所の弁護士も,マンション管理組合に依頼され,管理組合総会・理事会に出席することがあります。 そこで,今回は,管理組合総会と弁護士の活用についての話題です。 管理組合運営に当たり,管理会社を含め,士業,コンサルタントなど専門家の助言が不…
迷惑行為を原因とする競売請求訴訟に関する裁判例(仙台地判平成20年11月25日)が裁判所HPにありましたのでご紹介します。 競売請求訴訟が認められるためには,区分所有法でいう「共同の利益に反する行為」(59条1項,6条1項)があることが必要…
とあるマンションの管理費の滞納問題で,相続人が不在という事態に陥っていました。 このような事態になったらどうするのでしょうか。 相続財産管理人を選任して,マンションを処分してもらうしかなさそうです。 だれが相続財産管理人を選任するのでしょうか…
競売手続では,物件が評価され,それに基づいて最低売却価格が決まります。 滞納管理費がある場合には,どのように物件が評価されるのでしょうか。 まず,現況調査等をしたうえで,一旦の評価を出します。 この評価に修正を加えます。 実際に滞納している管…
マンション管理費請求訴訟において,弁護士費用の主張に関する裁判例の紹介です。 弁護士費用に関する規定が管理規約に存在していることが前提ではありますが,訴訟では,弁護士費用の支払を求める主張をすれば,その内容の判決を取得することが可能です。 …
「欠席判決」の話題です。 マンション管理費等請求訴訟における,判決の一種です。 まずは,マンション管理費請求訴訟の流れをおさらいします。 →原告(管理組合)が裁判所に訴状を提出します。 →裁判所から被告(債務者)に訴状の副本を送達します。 これに…
組合員が管理組合に対して支払うべきお金には,主に「管理費」「修繕積立金」があります。 まだ一般的ではないですが,「協力金」というものを徴収する組合もあるようです。 「協力金」というのは,どのようなものでしょうか。 築年数がかさむと,空室状態に…
将来給付判決についての話題です。 そもそも,将来給付判決というのは,どのようなものでしょうか。 通常判決を取得すると,例えば,「平成24年1月から平成25年3月までの滞納分50万円を支払え」という内容になります。 しかし,マンション管理費等は…
滞納した管理費には,遅延損害金が生じる場合があります。 標準管理規約では60条2項に記載があります。 具体的には,どのように計算すればよいでしょうか。 裁判所のHPを参考にみてみましょう。 東京地裁民事21部(民事執行センター)のHPに,ヒン…
マンション管理費の滞納がたっぷり貯まったマンションが競売されたとしても, なかなか買い手がつかない場合もあります。 そうすると一向に滞納が解消されない事態が生じます。 これを打開するために何か手段はないものでしょうか。 一つの手段として,管理…
マンション管理費を滞納している債務者のマンションが競売された場合, 競売の記録は,どのように閲覧するのでしょうか。 閲覧には,大きく分けて2種類あります。 一つは,誰でも見ることができる情報についての閲覧。 もう一つは,利害関係人しか見ること…
マンション管理費を滞納している人を探すことが必要な場合があります。 所在がわからなければ,督促をすることもできません。 ワンルームマンションで,投資目的でマンションを購入して,貸している人。 このような人は,そのマンションに住んでいるわけでは…
マンション管理費を滞納していた者が,その物件を賃貸していたとします。 そこで,滞納マンション管理費を回収するために,賃料債権を差し押さえたとします。 差押命令が賃借人に元に届きます。いままで賃借人がマンションの所有者に支払っていた分を債権者…
マンション管理費・修繕積立金の滞納問題が生じたときに,ある段階に至れば,支払督促の申立や通常訴訟の提起を決断しなければならないときがきます。その際,管理組合の総会や理事会で決議をする必要がありますが,今回はそのおさらいです。 標準的な管理規…
マンション管理については,管理組合が管理会社に委託することが一般的になっています。実際に管理を委託する際には,管理会社との間で「マンション管理委託契約書」といった名称の契約書を作成することになります。この点,「マンション標準管理委託契約書…
とあるマンションについての話題です。 昭和時代に建築されたマンションで,給水管工事などしてこなかったマンション。 管理費・修繕積立金の積立も不十分でした。 最近水漏れ事故が発生し,業者に見てもらったら,大規模な給水管取り替え工事が必要とのこと…
マンション管理費の滞納問題で,こじれてしまうと,訴訟になってしまう場合もあります。支払わない被告・債務者が,その理由を述べる際,「規約がそもそも無効である」,「総会決議がそもそも無効である」,と主張する場合がよく見受けられます。 総会の決議…
最高裁判所の判例についての話題です。 規約を改正する際に,一部の「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすとき」に,その区分所有者の「承諾」が必要です。 この「承諾」が必要なのに,取り付けずに,トラブルになるケースが良くあります。 では,ど…
マンション管理費等の滞納問題で,裁判になっている例があります。 なぜ滞納したかには,それなりの理由がある場合があります。 その理由の一つに,端的にいうと,値上げが納得いかない。 マンション管理費・修繕積立金・駐車場使用料・専用使用料を増額する…