裁判例
マンション内の騒音問題に関する裁判例(東京地裁平成26年3月25日判決・平成23年(ワ)第35604号,平成25年(ワ)第16760号)をご紹介します。 マンション内の生活騒音に関する裁判例では階上の音を問題とするものが多いですが,本裁判例…
マンション内における名誉毀損事例の多くは,理事長等役員の職務執行行為を問題とするものですが,今回はマンション管理費を滞納している区分所有者(控訴人)が,同人の未収金対策を議案として管理組合総会に提出し審議に付すことで管理費未払の事実を公表…
ある複合用途型マンションでの事件です。 管理組合が,店舗部分の区分所有者に対して,各店舗で使用している電気・ガス・水道等の料金を求めた事件です。 この事件の背景には,「理事会の機能不全」の原因がありました。 若干脱線します。 複合用途型マンシ…
1階テナントでのパチンコ店の営業を禁止できるか,争われた事例がありました。 はたして,裁判所はどのように判断したのでしょうか。 「共同の利益」に反する行為かどうかが争点です。 「諸事情を比較衡量して社会通念で決するのが相当である」とこの事件の…
1階にテナントが入っているような,いわゆる複合用途型マンションの話題です。 このようなマンションでは,住宅部分のみのマンションに比べると,トラブルの種が多い傾向にあります。 例えば,1階のテナントさんが飲食店の場合 考えられるトラブルとしては…
今回紹介する競売請求訴訟の裁判例(東京地判平成22年5月21日・平成20年(ワ)第900号)は,結論としては請求棄却となっております。管理費等の滞納や迷惑行為等が問題となった事件で,弁護士が果たすべき役割を考えさせられる事件でもあったこか…
マンションの住民が,個別にインターネット回線契約やプロバイダ契約を締結することなくインターネットサービスの提供を受けることができるマンションがあるとします。 そのマンションで,インターネット利用料金と称して,管理組合が区分所有者から,お金を…
水道料に関する判例の紹介です。今回は,水道料に関する決議の無効のはなしです。 水道・電気について,区分所有者らは水道会社等と直接契約を結んでおらず,建物全体で一括して全体の水道料・電気料を支払う仕組みとなっているマンションがありました。 そ…
水道料金に関する裁判例は,いろいろなバリエーションに富んでおり,個々の事例で個別的に判断されてるような印象があります。 その中でも参考になりそうな裁判例がありましたので紹介したいと思います。 熱海市にあるマンションです。 管理規約に「水道供給…
前区分所有者が管理組合に対して支払わなければならない滞納した水道料金及び電気料金等について,売買などでマンションを取得した者に対して,請求することができるでしょうか。 管理組合が,水道局や電力会社と一括契約をして,水道や電気の供給を受け, …
マンションの機械式駐車場浸水事故に関する裁判例(東京地裁平成25年2月28日判決)をご紹介します。 地下に収納される機械式駐車場の場合,台風などの影響で大雨が降ると,雨水が地下に流入して,地下に格納されていた自動車が浸水し,使い物にならなく…
マンション内の騒音問題で,その騒音が違法と評価され不法行為を構成するか否かについては,いわゆる受忍限度論(一般生活上,受忍すべき限度を超えているか否かを基準に,超えていれば違法と評価する基準)によって判断されることから,当該騒音が受忍限度…
マンション内の騒音問題に関する訴訟においては,基本的には,不法行為に基づき損害賠償の支払を求めいくことになります。争点としては,受忍限度を超える騒音の有無です。では,受忍限度を超える騒音があると裁判所に認めてもらうためには,どのような立証…
突然ですが,「成年後見制度」という制度をご存知でしょうか。 成年後見制度とは,成年後見人等による適正な財産管理を通じて,例えば,認知症などで判断能力が低下した方々(の財産など)を保護しよう,という制度です。成年後見人に管理してもらう側の方に…
区分所有権が共有状態にある場合の議決権行使に関する話題です。 そもそも,どのような場合に区分所有権が共有状態となるかですが,例えば,夫婦でマンションを購入し,夫婦共有名義とする場合や,死亡した単独の区分所有者の相続人が複数いる場合が挙げられ…
区分所有法では,区分所有者や占有者に対して,他の区分所有者の共同の利益に反する行為を禁止しています(6条)。 共同の利益に反する行為をしている区分所有者・占有者に対するための制度も規定されています。 その一つに,マンションを賃借している占有…
区分所有法では,6条で区分所有者の義務が規定されています。 「共同の利益に反する行為」をしてはいけない義務です。 その義務に違反した場合に取り得る制度について,57条以下,規定されています。 義務違反者が,A 区分所有者である場合と,B 賃借人…
マンション内のペットの飼育に関するトラブルは多くあります。 禁止したい管理組合と飼育したい組合員との折り合いが合わずに訴訟になる例も少なくありません。 訴訟になった場合の裁判所の判断傾向についてみてみましょう。 被告がよくする反論の一つに,管…
理事長,理事らが,管理費を,管理規約に定められた使用目的外のことのために支出するなどしている場合,以後これらの行為をやめさせるためには,どのようにすればよいのでしょうか。 一つの方法としては,理事長,理事らを解任する請求を裁判所にすることが…
管理者が解任された事例を紹介します。 その前に,若干の用語の説明です。 「管理者」というのは,何でしょうか。 区分所有法上の概念です。 26条で権限が認められており,共用部分・敷地等を保存し,集会決議を実行し,規約で定めた行為をする権利を有し…
例えば,水道管工事をする際,管理組合総会の決議をとることにしたとします。 特に,水道管工事ともなれば,多額の費用がかかる場合があります。 そのような場合,総会の決議は,普通決議によるべきでしょうか,特別決議によるべきでしょうか。 「水槽取替工…
修繕工事を巡る,組合内のもめ事は数多くあります。 中には,不要な修繕工事を行ったことを理由に,理事長らを解任請求をする事例も見受けられます。 不要な工事かどうかの判断はどのようにすればよいでしょうか。 東京地裁平成16年12月24日判決で,参…
「代位行使」という制度についての解説です。 どのような制度でしょうか。 「管理組合B」が「管理会社A」に支払うべき管理委託料を支払っていないとします。 一方で,「組合員C」が「管理組合B」に支払うべき管理費を支払っていません。 管理会社A → 管…
裁判例の紹介です。 エレベーターを使っていない1階の区分所有者が,エレベーターを利用しないことを理由として,その費用を徴収されていたとして,返還を求めたことについて,判断した裁判例があります。(東京地裁平成16年12月21日判決) 裁判所は…
中間取得者の管理費等の支払義務についてです。 中間取得者というのは, 元々の所有者(A)から所有権を取得したもの(B)がいて,現在の所有者(C)とした場合,Bのことをいいます。 区分所有法8条では,元々の所有者が管理費等を滞納していた場合,特…
情報開示に関する話題です。 通常管理規約では,情報の開示に関する規定があります。 組合員等が管理組合(理事長)が保管する書類を閲覧することができます。 標準管理規約であれば,どのように規定されているでしょうか。 ・総会の議事録であれば,49条…
管理組合運営とプライバシーの話題です。 昨今,個人情報保護法の存在により,個人情報を開示することで,プライバシー侵害があるのではないか,という関心が高まっています。 プライバシー侵害であると訴えられるリスクを回避すべきなのは,いうまでもあり…
あるマンションの組合員が管理組合に対して支払うべき管理費等を滞納していたとき, その債務者が管理組合に対して何らかの債権を有している場合, その債務者は相殺を主張してきたとします。 管理組合は,その相殺はできないと主張することはできるのでしょ…
管理会社が行う滞納マンション管理費等の督促業務の範囲がどこまでかが争われた裁判例(東京地方裁判所平成15年(ワ)第21884号,平成16年(ワ)第8217号・平成18年7月12日判決)をご紹介します。 管理組合は,マンション管理費等の滞納問…
競落人が滞納管理費を管理組合に支払った場合,元の所有者に対して求償をすることができるか,について,判断した裁判例があります。 管理組合・管理会社からすれば,さほど関心が高くないと思いますが,裁判所HPに掲載されている裁判例なので,紹介です。…