マンション問題解決の手引き

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弁護士 加藤貴士



マンション管理費の消滅時効期間は5年では短い?最高裁での補足意見

マンション管理費・修繕積立金消滅時効期間は5年です。平成16年に,最高裁判所で判断されました(最高裁第二小法廷判決平成16年4月23日・平成14(受)第248号)。

 

マンション管理費・修繕積立金消滅時効期間については,激しい争いがありました。上記最高裁判決の原審(東京高裁13年10月31日判決・平成13年(ネ)第3618号)も5年ではなく10年と判断していました。

なぜ,このように裁判所の判断が分かれていたのでしょうか。

理屈はともかく,結論の妥当性という点も無視できなかったように思われます。難癖つけてマンション管理費や修繕積立金を支払わない人が,鬼の首を取ったように消滅時効を援用する,そういう事態があったとすれば,そのような滞納者の主張を受け入れることが忍びなかった,そういう事案もあったのではないでしょうか。マンション管理というものが,マンションというコミュニティーの中で行われ,各管理組合員が協力し合い,マンションの価値を維持し,よりよい日常生活を送るためになされている,そういった中で,勝手な事情で理屈を振りかざしては果たすべき義務を免れようとする人を救済していいのか,そういう結論にはしたくない,という感情もあったかもしれません。

平成16年の最高裁判決には,福田博裁判官の補足意見があります。

同裁判官は,消滅時効期間が5年という短いものになったことに対して,「現行法の解釈としては…これを首肯せざるを得ない。」としています。ここに結論の妥当性という観点から,消滅時効は10年がいいのじゃないの,というニュアンスが読み取れます。

さらに,「区分所有建物の資産価値を維持保全するためのもので…究極的には個々の区分所有者の利益に還元され…区分所有関係を維持していくために必要不可欠な負担ということができる」修繕積立金については,特に,「不誠実な一部の滞納者がその納付義務を安易に免れる結果とならないようにするための適切な方策が,立法措置を含め十分に検討されるべきものと考える。」という立法府への注文も付け加えられています。消滅時効期間を10年にしませんか,これが難しいのであれば5年という短い消滅時効期間に対する他の手当てをしませんか,という提案といえます。立法的な解決や手当てに期待したいところです。

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