競売 先取特権の消滅 競落人からの回収
マンション管理費請求権には,先取特権という担保権がついています。
(→詳しくは 滞納マンション管理費を不動産競売で回収~先取特権に基づく方法 参照)
競売で売却されると,この先取特権は消滅することになります。
これは,民事執行法第59条第1項で「不動産の上に存する先取特権・・・は,売却により消滅する」とあるのを根拠にします。
消滅してほしくはないのですが,これを根拠に消滅するとされています。
ただ,あくまでも,担保権としての先取特権の消滅ということであり,
債権である滞納管理費請求権は,競落人に承継されます。
これは,区分所有法第8条で管理費等請求権は,「債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる」という規定によります。
もしも,競落人,特定承継人の財産を差し押さえるのであれば,「債務名義に基づいて」行うことになります。(民事訴訟法第59条第1項によれば,「先取特権に基づいて」特定承継人の不動産を差し押さえることができないことになります。)
もし,競落され,競落人が任意に支払ってくれない場合には,「債務名義」を使う,ということを覚えておく必要があります。
この点,特定承継人に関して,「承継執行文」という制度もありますので,ご参照ください。