管理費・使用料等の増額・変更 トラブルの種「特別の影響」
マンション管理費等の滞納問題で,裁判になっている例があります。
なぜ滞納したかには,それなりの理由がある場合があります。
その理由の一つに,端的にいうと,値上げが納得いかない。
マンション管理費・修繕積立金・駐車場使用料・専用使用料を増額する際,増額するための手続(総会決議など)に不備がある。
もう少しいうと,金額の値上げによって,一部の区分所有者に「特別の影響」が及ぶ場合,その区分所有者の「承諾」が必要です。この「承諾」を取り付けることなく,値上げを強行したという場合です。
ところが,何をもって「特別の影響」かどうかは,評価の問題もあり,明確な基準があるわけではありません。
「特別の影響」はないだろう,なので,一部の区分所有者の「承諾」はいらないだろう。という見切り発車により,手続を進めた結果,不利益を被る組合から,不満がでる,値上げした金額を支払うわけにはいかない,ということになります。
では,どうすべきか。
理屈からいえば,一部の区分所有者に不利益が生じる場合には,事前に「承諾」を取り付けておく。「承諾」が得られない場合でも,説得を試みて,納得してもらい,「承諾」を取り付ける。
「承諾」がえられないならば,強行せず,互いが納得する他の方法を探る。
強行することは,先例からわかるようにリスクがあります。慎重な判断が必要なところです。