マンション管理費滞納問題,弁護士に依頼するメリット・デメリット
マンション管理費・修繕積立金の滞納を解消しようとする場合,管理組合としてはどうすべきでしょうか。
管理会社の担当者に相談する場合,弁護士に相談・依頼する場合などがあると思いますが,それぞれのメリット・デメリットとしては,どのようなことが考えられるでしょうか。
まずは,弁護士に相談・依頼するメリット・デメリット
メリットとしては,やはり面倒で専門的で複雑な手続を弁護士であれば処理することが可能ということでしょうか。ですので,手続を知らずに管理費を取り損ねるなどのリスクはなくなります。
デメリットは,1つは頼みづらい(?)ということでしょうか。このようなイメージがあるのは仕方ないですが,実際はそんなことはありません。何でも,お気軽に相談いただければ,親切丁寧にご説明差し上げます。
他に挙げるとすると,弁護士費用でしょうか。ただ,これも遅延損害金や違約金をきちんと回収すれば,その中から弁護士費用を賄えるケースは多くあります。事前に費用の見積も確認することで安心することもできるのではないでしょうか。
管理会社の担当者のメリット・デメリット
メリットとしては理事会などの場で気軽に相談することができる,ということが挙げられます。
デメリットとしては,あまり見当たらないと言えますが,強いて挙げるのであれば,必ずしも滞納管理費等の回収業務に精通していない場合があるということでしょうか。
ただ,身近に弁護士がいなくとも,管理会社の担当者であれば,仕事柄,弁護士を知っていることもあることから,管理会社に管理を委託している管理組合様であれば,まずは担当者に相談してみることがよろしいのではないでしょうか。
ただ,弁護士に依頼することなく自ら,或いは,管理会社を通じ催促を行っても支払ってもらえないという場合には,やはり法的手続を検討せざるを得ません。
具体的には,支払督促の申立が比較的簡易な手続ちえます。とはいえ,申し立てにあたってはそれなりの書類を揃えなければならず,実は結構な手間暇がかかります。また,一口に滞納管理費・修繕積立金の回収といっても様々なケースがあります。
滞納者が破産を申し立てた,民事再生を申し立てた
滞納者が所有しているマンションが競売にかけられた
いつの間にか,区分所有者が変わってしまっていた
区分所有者が行方不明になっていた
区分所有者が亡くなっていた
このように現実には様々なケースが存在し,臨機応変に対応してかなければ,滞納管理費・修繕積立金などを回収し損ねてしまうおそれもあります。確実に処理していきたい場合には,やはり法律の専門家である弁護士に依頼することをお勧めします。