弁護士に相談すべき問題? マンション管理費の滞納問題
どういった場合に,弁護士にマンション管理費等の滞納問題を相談すべきか
いろいろな考え方があると思います。
例えば,
①少しでも滞納した人がいれば,督促業務はすべて弁護士にお願いする,という管理組合
②滞納期間が短い間は管理会社に任せ,滞納期間が長期に亘り,滞納額が膨らんできてから弁護士に相談する,という管理組合
③マンション管理費滞納問題は,弁護士に任せる問題ではないと考える管理組合
実際に①のように考える管理組合様・管理会社様もよくいらっしゃいます。
滞納後間もない段階でのご相談では,複数のメニューの中から解決方法を選択することができます。逆に,滞納後随分と時間が経過している段階での相談では,有効な手段を取り損ねる場合もあります。早期相談にはメリットがあります。
②のように考える場合もよく見受けられます。
例えば,支払督促を自らやる管理組合様・管理会社様で,支払督促に対する異議が出され,通常訴訟に移行した段階になって初めて弁護士に依頼する場合です。マンション管理費等の滞納問題のためにできる限りコストを掛けない,というメリットがございます。
ただ,督促自体は続けているものの,5年の消滅時効を迎えてしまっている案件もあったりします。ここまで放置することがよろしくないのは当然です。コストを惜しむ余り,過去5年分の管理費,修繕積立金を取り損ねてしまっては本末転倒です。この穴埋めは,結局は,各区分所有者様が負担することになってしまいます。
では,弁護士の使い方について,どのように考えるべきでしょうか。
繰り返しになりますが,そもそもマンション管理費等の滞納問題を解決する手段には,いろいろなメニューがございます。残念ながら,弁護士に相談せずに,有効な手段を取り損ねてしまっている案件も見受けられます。時間が経てば経つほど,選択肢は狭まってしまいます。
既に滞納問題が発生している場合には,当該滞納状況がどの程度危機的状況なのか,或いは,そうでないのかを,まずは弁護士に相談されることをお勧めします。
滞納状況に応じて,弁護士から取り得る手段の説明を受けることができると思いますし,当該手段をとる場合の弁護士費用,さらには滞納者から当該弁護士費用(或いは,それに見合う遅延損害金)を回収できるケースなのか,といった見込みも聞けると思います。
その費用対効果を踏まえ,管理組合内で改めて協議し,当該滞納問題の解決を弁護士に依頼するか否かを判断していかれることをお勧めします。