競売請求訴訟の裁判例~迷惑行為の一例
迷惑行為を原因とする競売請求訴訟に関する裁判例(仙台地判平成20年11月25日)が裁判所HPにありましたのでご紹介します。
競売請求訴訟が認められるためには,区分所有法でいう「共同の利益に反する行為」(59条1項,6条1項)があることが必要で,す。「共同の利益に反する行為」に該当するような「迷惑行為」としては具体的にはどういった行為があるの?と思われる方もいらっしゃるかと思います。本裁判例では,典型的ともいえる迷惑行為である犯罪行為,威嚇的行為,危険行為,平穏な生活を妨害する行為について,その事実(行為)の有無が争点となっており,事例判断ではありますが参考になります。
本裁判例で,原告側がどのような証拠を用い立証したのかまでは具体的には分かりませんが,列挙されている迷惑行為を具体的に立証していくことは大変だったろうと想像します。「共同の利益に反する」「迷惑行為」を立証するに当たっては,その前提として,証言・写真・文書など媒体は問いませんが,逐一,日時・場所・状況などを記録しておく必要があります。最終的にはこれらを証拠として裁判所に提出し立証していくことになるからです。「共同の利益に反する」ような「迷惑行為」が問題となっている場合には,将来的な訴訟活動も見据えて,いろいろと記録されておかれることをお勧めします。
なお,マンションの管理費等の滞納も「共同の利益に反する行為」に該当するといえるときがあり,「管理費等の滞納」についても上記迷惑行為のケースと同様,共同の利益に反する管理費等の滞納であることを主張立証する必要があります。これについては又の機会があれば紹介したいと思います。