賃料の差押のやり直し
債務者が当該マンションを賃貸している場合,債務者が得ている賃料債権を差し押さえることができます。これにより,滞納しているマンション管理費を回収することができる場合があります。
賃料の差押が功を奏しない場合があります。
どういう場合でしょうか。
賃料を差し押さえるには,賃借人の氏名を特定する必要があります。
賃借人の氏名が間違っていた場合には,この差押は空振りに終わることになります。
(ここにいう賃借人にことを,差押事件において「第三債務者」とよびます)
具体的に見てみます。
良くあるのが,転貸借されている場合です。
例えば,賃貸人がサブリースの業者である場合。
所有者(貸主Aさん) - 賃借人(業者B) - 転借人(Cさん)
こういう構造です。
調査の結果,賃借人がCさんだと思って差し押さえたら,
この場合だと,業者Bからの陳述書で,Aさんからは借りていないという報告がされます。
この場合,第三債務者は業者Bです。
ただ,Cさんの報告で,実は業者Bから借りているということが判明すれば,
この件の第三債務者が業者Bであることがわかります。
そこで,第三債務者をBとして,仕切り直します。
このように,賃料の差押のやり直しをすることがあったりします。
余談ですが,賃借人が誰であるかの調査というのは,なかなか思うようにいかなかったりします。
例えば,ポストや表札で氏名が掲示されていればよいのですが,必ずしも,そういう場合ばかりではないです。