エレベーターを使っていないことを理由に管理費支払い拒める?インターネットは?
裁判例の紹介です。
エレベーターを使っていない1階の区分所有者が,エレベーターを利用しないことを理由として,その費用を徴収されていたとして,返還を求めたことについて,判断した裁判例があります。(東京地裁平成16年12月21日判決)
裁判所は,エレベーターは一部共用部分ではない。1階の居住者が使用することは可能であるし,マンション全体の維持・保全のために必要不可欠である。ということを理由に,エレベーターを使用しないとしてもその費用の支払い義務はあると判断しております。
似た事例で,インターネットを利用していない区分所有者に対してインターネット利用料金の支払いを求めることができるか,について判断した裁判例もあります。(広島地裁平成24年11月14日)
この組合では,管理費・修繕積立金と並んで,インターネット利用料金を支払わなければならないという規約の規定がありました(毎月定額)。
この点,インターネット設備は共用部分であり,その保守・管理に要する費用は,マンションの資産価値の維持ないし保全に資する,などの理由で,各区分所有者が一律に負担すべきものである,という理由で,たとえ利用していないとしても,支払わなければならないという判断をしました。
使用していない人からすれば,不公平感はあるかもしれません。
使用する人が圧倒的に少なかったりして一部の人が恩恵にあずかるというような施設などがあれば,また別な判断が出る可能性もあルと思います。
昨今,インターネットを利用する人が増えたという事情も,この判断の背景にあるのでしょうか。