工事をするための決議 普通決議か特別決議か② 管理規約
工事をするための決議について,普通決議か特別決議か,について,管理規約からみてみます。
まず,標準管理規約では,47条3項をみてみましょう。
「3項 次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は,前項にかかわらず,組合員の総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3で決する。
2号 敷地及び共用部分等の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く。) 」
共用部分の変更は特別決議が必要なものがありますが,すべてではありません。著しい変更を伴うもののみです。もちろん管理行為については,特別決議は必要有りません。
標準管理規約では,「コメント」がついています。
規約の解説のようなものです。組合の規約についているわけではなく,国土交通省が発表したものに「コメント」がついています。
そして,上記規定に該当するコメントには,どのような工事に何の決議が必要か,具体例が列挙されています。
例えば,
バリアフリー化の階段にスロープ併設工事 → 普通決議
バリアフリー化のエレベーター親切工事 → 特別決議
耐震改修工事のシート・鉄板巻き付け → 普通決議
耐震改修工事の耐震部材を設置する工事で基本的構造部分への加工が小さいもの → 普通決議
防犯カメラの設置 → 普通決議
光ファイバーケーブル工事 → 場合によっては普通決議でも可能
計画修繕工事(鉄部塗装・外壁補修・屋上等防水・給水管工事・証明・消防用設備工事等) → 普通決議
集会室・駐車場増改築工事 → 特別決議
繰り返しになりますが,「著しい変更を伴わない共用部分の変更」かどうかが目安です。
列挙されているとしても,程度の問題もあり,完全に紛争化しないとも限らないところです。
事前に採決を取る前に,なぜ普通決議なのか,特別決議ではないのか,という説明を十分した上で,納得してもらい,普通決議でおこなう,のが必要です。
例えば,多額の予算を費やす場合などは,何の説明もなしに,いきなり普通決議というのは,組合員の感情的に抵抗感が生まれるかもしれない,ということは気にしておいた方が良いでしょう。
国土交通省のHPから
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/07/070123_3/03-1.pdf