わかりやすい訴訟の提起(マンション管理費滞納) ⑧裁判上の和解について
訴えを提起した場合,裁判上で和解をすることができます。
「裁判上の和解」とはどのようなものでしょうか?
事実の真否はさておき,
裁判所で,滞納している管理費等について原告・被告間で話し合います。
いくらの滞納額について,どのように支払うか,合意します。
そして,事件を終わりにすることです。
「裁判外の和解」との違いは?
裁判外の和解であれば,それは債務名義にはなりません。約束を破ったからといって,すぐに強制執行できません。
被告が和解の内容(約束)を破った場合は?
「裁判上の和解」であれば,そこで約束されたことが破られたときには,強制執行することができます。つまり,「裁判上の和解」は債務名義です。
メリットは?
裁判を早期に解決することができます。判決を得るためには,特に争いがある場合には,長い時間,手間暇がかかってしまいます。
債務者の自発的な支払が期待できます。判決による事件の終了では,特に敗訴した当事者は納得がいかず,控訴して,さらに裁判が長引くことも想定されます。
デメリットは?
幾分は譲歩する必要もあります。
許容できる範囲内であれば,このデメリットはクリアできると思います。
ただ,決して不合理な妥協はすべきではないです。譲歩はあくまでも許容できる範囲である必要があります。
実際の利用
裁判上の和解を利用する場合も,少なくはありません。
裁判を早期に終結することができますし,約束を破ったとしても判決と同様に強制執行をすることもできますし,許容できる範囲内の譲歩であれば組合のデメリットは最小限にすることができます。