わかりやすい訴訟の提起(マンション管理費滞納) ④訴状の記載(請求の趣旨)
訴状を記載する際に注意するべきポイントを上げてみます。
今回は,「請求の趣旨」についてです。
「請求の趣旨」というのは,要するにどのような請求をするか,請求する内容の主なことです。
「被告は,原告に対して○万円支払え」というように,シンプルな文章です。理由はここでは書きません。
例
請 求 の 趣 旨 |
1 被告は,原告に対して,次の金員を支払え。 ⑴ 金 160万 円
⑵□上記金額に対する □上記金額の内金 円に対する 平成 年 月 日から平成 年 月 日まで の割合による金員
⑶□上記金額に対する ☑上記金額の内金 140万 円に対する ☑平成25年2月15日から □訴状送達の翌日から 支払い済まで 年14.6% の割合による金員
2 訴訟費用は被告の負担とする
との判決(☑仮執行の宣言)を求めます。
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⑵は遅延損害金の項。
該当しないので,☑はつけていません。
⑶も遅延損害金の項。
該当する箇所に☑をつけます。
←訴訟費用の負担についての項は決まり文句です。
←たいていの場合,☑します。
具体的にみてみましょう。平成25年2月14日に提起するものです。
上記例では,⑴では内訳については記載していないですが,内訳は以下のとおりです。
元金140万円 + 既に発生している遅延損害金20万円 = 160万円
ここの遅延損害金20万円の内容は,提訴日,(平成25年2月14日)迄に発生しているものです。
⑶も遅延損害金です。
⑴では,「既に発生しているもの」,⑶では,「これから発生するもの」と考えればよいです。
⑴の遅延損害金の締め日が2月14日であることとの関係で,⑶の起算点は,訴状提起の翌日を起算点としています。
損害金の根拠となるものは,⑴の内訳にあるとおり,元金140万円です。「内金」という記載です。
このようにすれば,遅延損害金について,請求する際,隙間が生じません。参考になるかと思います。
「仮執行の宣言」の箇所にチェックを付けてあります。このようにしておけば,第一審で判決が出た際,確定を待たずに強制執行をすることができます。
以上が最低限の記載です。マンション管理費と遅延損害金です。
もちろん,その他にもオプション的に請求を立てたり,含めたりすることができます。
例えば,
弁護士費用相当額の違約金であるとか,
将来給付を求めるものとか。
当事務所では,できる限り,これらのオプションを考慮したものを考えております。
最後に,裁判所のHPへのリンクです。
http://www.courts.go.jp/saiban/syosiki_minzisosyou/syosiki_02_08/index.html