マンション問題解決の手引き

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近時,マンションでは様々なトラブルが発生し,弁護士が対応した方が良い事例も増えてきております。そこで,本サイトでは,弁護士への相談が特に多い管理費・修繕積立金の滞納問題を中心に,ペット問題,迷惑行為(悪臭,騒音…)問題など様々なテーマを取り上げていこうと思います。本サイトが,ご覧頂いている皆様が抱えている問題解決の一助になれば幸いです。

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弁護士 加藤貴士



マンション敷地売却制度の新設

 マンション敷地売却制度は2014年12月24日施行の「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」(2014年改正法・法令名も微妙に変わっております。2014改正以前は「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」でしたので,「等」の位置が変更されています。)により新設された制度です。

 国土交通省(平成26年2月28日付プレスリリース)によれば,マンションのストック総数約590万戸の内,旧耐震基準により建設された者が約106万戸存在し,それらの多くは耐震性不足であると考えられているものの,マンションの建替えは1万4000戸の実施にとどまっている状況です。

 建替えの必要性を感じているマンション管理組合は少なくないとは思うのですが,現実に建替が進んでいないことからすると,手続が複雑であったり要件の充足が困難であったり,費用の問題であったり,各区分所有者の建替えに対する意識がバラバラであったりと,実際上はさまざまな要因がありそうです。

 2014年改正以前もマンション建替組合による建替えの円滑化についての規定はもちろんありましたが,この他にも,区分所有者全員の同意を得ることなく,多数決(5分の4)によりマンションなどの開発業者がマンションと及びその敷地を丸ごと買い取って建て替える,という手法をも可能にするマンション敷地売却制度を設けることで,耐震性不足のマンションの除去を促そうというのが2014年改正です。容積率の緩和(2014年改正法:105条)などと相俟って,同制度を活用したマンションの建替えが期待されるところです。

 ただ,全てのマンションにおいてマンション敷地売却制度を利用できるわけではない点は注意です。同制度の利用はあくまで耐震性不足が故に除去する必要があると認定されたマンションに限定されています(2014年改正法:108条)。これ以外のマンションが同じような手法をとる場合には,原則どおり区分所有者全員の同意が必要になってきますが,そのようなマンションは当面建替えまでは必ずしも必要とはしていないでしょうから,現実的な問題とはいえないでしょう。

 2014年改正法により建替手法が増え,要件面のハードルも下がっており,また,容積率緩和の活用やその他の補助金,税制優遇制度,融資保証制度の活用により費用面の負担も少なから軽減することは可能になってきているのではないかと思れます。あとは各区分所有者の意識に,説明会,勉強会,住民アンケート,その他さまざまなアプローチで変化を促すことで耐震性不足の建物の除去,建替が現実的に進んでいき,免震問題もしかりですが,「マンションにおける良好な居住環境の確保並びに地震によるマンションの倒壊その他の被害からの国民の生命,身体及び財産の保護」(2014年改正法:1条)が早期に図られていくことを期待したいです。

 当ブログでは,マンションの改修や建替といったマンション再生に絡む問題についてはあまり触れてきておりませんでしたが,今後はマンションの高齢化に関する話題や問題,のみならず住人の高齢化に伴い起こる,また起こり得るマンション内の話題や問題にも触れていこうと思います。

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