マンションの新たな管理ルールに関する検討会~管理費等の滞納に対する措置について
国土交通省が,平成27年2月26日,マンションの新たな管理ルールに関する検討会(第10回)を開催しました。前回である第9回検討会の開催が平成24年8月29日であったことから約2年半ぶりの開催となりました。
検討会では主な14項目の論点について,各論点の検討の方向性と考え方が整理された資料を元に検討が行われていますが,「管理費等の滞納に対する措置」が論点の1つとして取り上げられており,以下のように検討の方向性案が資料として示されていますので,以下に紹介しておきます。
『○管理費及び修繕積立金(以下「管理費等」という。)の確実な徴収は,管理組合がマンションの適正な管理を行う上での根幹的な事項であり,管理費等の滞納者に対する措置は,管理組合(理事長)の最も重要な職務の一つであること,管理費等の滞納を怠れば,他の区分所有者への負担の転嫁等の弊害もあること等,滞納された管理費等の回収の重要性・意義を,標準管理規約コメントに記載してはどうか。
○管理組合の財産管理機能の強化を図る観点から,滞納者の滞納状況等に応じて管理組合が執ることができる具体的な措置内容について,選択肢として,標準管理規約に規定するとともに,同規約の解説その他に追加してはどうか。また,管理費等の滞納対策について,取り得る各種の措置を段階的にまとめたフローチャート(別紙)と参考とすべき事項等をまとめた資料(マニュアル等)を新たに作成し,現場の実務に資するようにすることが考えられるのではないか。
○滞納管理費等に係る遅延損害金の利率の水準については,必ずしも利息制限法や消費者契約法が規定する利率以下にしなければならないわけではないことについて,標準管理規約コメントに記載してはどうか。
○管理費等のほか駐車場使用料についても,管理組合が有する債権は,特定承継人に対しても行うことができる旨を標準管理規約において規定してはどうか。』
(マンションの新たな管理ルールに関する検討会・資料1「主な論点とその検討の方向性(案) 平成27年2月」)
中でも滞納管理費等に係る遅延損害金の利率の水準ついては,裁判上の和解の話し合いに際し,裁判官から利息制限法や消費者契約法の利率を引き合いに意見を求められることが多いところでもあり,標準管理規約コメントで何らかの指針が示されることになるであれば実務的には重要な意味をもってくるのではないでしょうか。滞納に関する項目の中では特に注視していきたい項目です。
今後,国土交通省のホームページ上に議事録がアップされることになると思いますが,本検討会においてどのような説明や意見交換がなされたのか,今後もみていきたいと思います。