競売妨害に対抗する③~競売請求訴訟の判決確定前の承継人
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そもそも競売を申し立てるには無理がありました。必要とされる書類がそろっていなかったのですから。
もちろん管理組合は競売申し立てに必要な書類を整えようと試みています。まずは,判決確定前に区分所有権が譲渡されていたので,承継執行文を付与してもらおうと書記官に申請をしています。ところが,承継執行文をつけてもらえませんでした。
そこで,次に管理組合は「執行文付与の訴え」を提起しました。ところが,これも却下されてしまいました。
そこでやむなく,承継執行文をつけることなく競売を申し立てるに至ったようです。
管理組合は,なぜ無理かもしれないと思いつつも申し立てたのでしょうか。おそらく,競売妨害になんとかして対抗したい,という思いからでしょう。法の網をくぐって執行を妨害しようとする者に対しては,対抗手段を備えたいものです。管理組合側の活動としても非常に参考になる事例でした。