不在組合員に対する「協力金」と最高裁判例
組合員が管理組合に対して支払うべきお金には,主に「管理費」「修繕積立金」があります。
まだ一般的ではないですが,「協力金」というものを徴収する組合もあるようです。
「協力金」というのは,どのようなものでしょうか。
築年数がかさむと,空室状態になる物件や賃貸される物件が増加する傾向にあります。
所有者はそのマンションに居住せず,いわゆる「不在組合員」になります。
不在組合員については,役員にならなくてもよい代わりに,「協力金」という形で,マンションの運営に参加する,という発想です。
では,どのように徴収するのでしょうか。
規約に定めて,徴収することになります。
例によって,負担する組合員の「承諾」があれば,問題ないのです。
気をつけるべきポイントは何でしょうか。
ある管理組合で,この「協力金」について,「承諾」なしに,規約で定めることができるかが問題となりました。
争点は,「一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼす」かどうかです。
結論からいうと,最高裁判例は,今回問題になった事件については,及ぼさない,承諾は不要であるという判断をしました。
あくまでも,今回問題になった事例についての判断であり,常にこの「協力金」が承諾なしに有効であるというわけではないので,注意が必要です。
重要なポイントの一つは,金額です。
不在組合員が居住する組合員よりも15%増し程度であれば,上記最高裁判例と同様に許容されやすいと思います。
裁判所のHPです。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=38357&hanreiKbn=02